どの業界でも、売上が好調な月もあれば、思ったように成果が上がらない月もあります。「先月より売上が下がっている」「予約数が減っている」といった状況に直面したとき、感覚や経験だけに頼るのではなく、データに基づいた分析を行うことが非常に重要です。
売上や予約数の減少には、季節要因や市場の変化、競合の影響などさまざまな要因が考えられます。その中で、正確な原因を特定し、的確な対策を講じるために役立つのが、Googleが提供する無料のアクセス解析ツール「GoogleアナリティクスGA4」です。
本記事では、GoogleアナリティクスGA4を活用し、売上や予約の減少の原因を調査する具体的な方法を詳しく解説します。特に、「比較」機能を使った分析方法や、データに基づいた改善策の立て方についても紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
Googleアナリティクス（GA4）とは？
まず、GoogleアナリティクスGA4（以下、GA4）とはどのようなツールなのかを簡単にご紹介します。
GA4は、Googleが提供する無料のアクセス解析ツールであり、Webサイトやアプリの訪問者データを収集・分析できる強力なツールです。従来の「ユニバーサルアナリティクス（UA）」の後継版として登場し、より高度な分析が可能になっています。
GA4の特徴として、以下のような点が挙げられます。
- イベントベースのデータ計測：ページビュー中心ではなく、ユーザーの行動（イベント）を軸にしたデータ収集が可能。
- 機械学習を活用した予測機能：GoogleのAIが売上やコンバージョンの傾向を予測し、未来の施策に役立てることが可能。
- クロスデバイス計測：PC、スマホ、タブレットなど異なるデバイスをまたいだユーザーの動きを統合して分析。
- プライバシー保護の強化：クッキーの制限が強まる中でも、ユーザーの行動を正しく分析できる仕組みを備える。
GA4を活用することで、サイトのパフォーマンスを可視化し、売上や予約の減少の原因をより正確に分析することが可能になります。
「比較」機能を使って売上や予約の減少の原因を特定する
売上や予約の減少を正しく分析するために役立つGA4の機能のひとつが「比較」機能です。
「比較」機能とは？
「比較」機能を使うことで、特定の期間のデータを過去のデータと並べて比較することができます。例えば、「先月と今月のデータを比較」「昨年同月と今年の同月を比較」といった分析が簡単にできるため、変化を視覚的に捉えやすくなります。
売上や予約の減少の原因を調査する方法
では、具体的にどのように比較分析を進めればよいのでしょうか？
アクセス数（セッション数）の変化をチェック
GA4の「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」に進むと、サイト訪問者数（セッション数）のデータを確認できます。
- アクセス数が減少している場合
- 検索流入（オーガニック検索）が減っている → SEO対策の見直しが必要
- 広告流入が減っている → 広告の効果が落ちている可能性がある
- 直帰率が上がっている → ユーザーが求める情報とコンテンツが合っていない
アクセス数が大きく減少している場合は、まずサイトへの流入経路を分析し、どのチャネルで減少が発生しているのかを特定することが重要です。
ユーザー行動の変化を分析する
「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」では、ユーザーがどのページをどのくらい閲覧しているのかを確認できます。
- 重要なページ（商品ページ、LPなど）の閲覧数が減っている → 動線の見直しが必要
- 離脱率が高くなっているページがある → コンテンツの改善が必要
このように、ユーザー行動を細かく分析することで、売上や予約の減少の具体的な要因を特定することができます。
売上や予約を回復させるための対策
売上や予約の減少の原因がわかったら、次は具体的な対策を講じましょう。
SEO対策を強化する
- キーワードの見直しを行い、検索意図に合ったコンテンツを作成
- 内部リンクの最適化で回遊性を向上
- メタディスクリプションやタイトルを改善し、クリック率を向上
LP（ランディングページ）の改善
- CTA（行動喚起）の配置を最適化し、コンバージョン率を高める
- ページの読み込み速度を改善し、離脱を防ぐ
- ユーザーが興味を持つコンテンツを追加
広告施策を最適化する
- ターゲット設定を見直し、効果の高いユーザー層に配信
- 広告クリエイティブを定期的に更新し、訴求力を向上
- A/Bテストを活用し、最も効果的な広告を特定
まとめ
分析ツールを覚えるまでは手間がかかることもありますが、GA4を活用してしっかりとデータを分析することで、売上や予約数の改善につなげることができます。
今回ご紹介した「比較」機能を活用し、アクセス数の推移やユーザー行動を把握することで、的確な対策を行いましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました！