まず知っておきたい基本
お店を運営していると、どうしても避けられないのが「悪いクチコミ」。読むと落ち込んでしまうこともありますが、実は悪いクチコミはお店の成長につながる大事なヒントでもあります。
まず知っておきたいのは、「悪い口コミを書く人」にはいくつかの傾向があるということです。
- 当日の感情で書いてしまう
- 期待値が高かった
- 小さな不満が積み重なった
- 他のお店と比べてしまった
必ずしも “お店が悪かったから” だけではなく、お客様側の状況や心理も影響します。そして、悪いクチコミが入った後で最も大切なのが返信対応です。
悪いクチコミへの返信が重要な理由
- 読むのは投稿者だけではなく、これから来店する人全員
- 返信が丁寧だと「誠実なお店」と感じてもらえる
- MEO(マップの順位)でも評価される
- トラブル防止につながる
つまり、「悪いクチコミへの返信」は、お店のイメージを守ることにも繋がります。
悪いクチコミ返信の基本ルール
悪いクチコミに返信するとき、最初に意識したいのは「感情ではなく、事実と誠意で返す」ということです。返信ひとつでお店の印象は大きく変わります。ここでは、絶対に守りたい基本ルールをまとめました。
1. 感情的に反応しない
「そんなことはしていません」「誤解です」など、否定から入るのはNGです。
お客様は“自分が感じたこと”を書いているので、まずは受け止める姿勢が必要です。
2. 事実確認の姿勢を丁寧に伝える
事実が違う場合でも、いきなり反論せず、「状況を詳しく確認させていただきます」というニュアンスで柔らかく伝えましょう。
3. 謝罪 → 共感 → 改善策 の流れが基本
悪いクチコミ返信の型は、次の3ステップです。
- まずは謝意とお詫び
- お客様の気持ちへの共感
- 改善策・今後についての説明
この流れを守ると、誠意ある印象を与えられます。
4. 個人情報を含む内容には触れない
名前や予約内容など、特定の情報に触れるのは避けましょう。
必要な場合は「個別でご案内いたします」として、電話やメールへ誘導します。
5. 絶対にやってはいけないNG対応
- 他のお客様と比較して反論する
- 相手の感情を否定する
- 表面的な「テンプレ丸出し返信」
- 長文すぎて読みにくい文章
大切なのは、誠意と透明性。お店の姿勢が伝わるだけで、読者の印象は良くなります。
悪いクチコミ返信テンプレート(例文付き)
ここでは、業種問わず使いやすいテンプレートから、業種別の具体例を紹介します。
スタッフの共有マニュアルにも便利です!
■どの業種でも使える基本の返信例
〇〇様
この度はご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございませんでした。
いただいたご指摘を真摯に受け止め、状況を確認し改善に努めてまいります。
今後もより良いサービスを提供できるようスタッフ一同取り組んでまいります。
■【飲食・サロン・接客業】よくある低評価への返信例
〇〇様
先日はご来店いただいたにもかかわらず、満足のいく対応ができず申し訳ございませんでした。
接客態度についてのご指摘を受け、すぐにスタッフ間で共有し、改善に向けて取り組んでおります。次回は気持ちよくご利用いただけるよう、サービスの向上に努めてまいります。
■【クリニック・医療系】不安感を与えてしまった場合の例文
〇〇様
この度は診療の際にご不安な思いを抱かせてしまい、誠に申し訳ございませんでした。
いただいた内容をもとに、説明の仕方や対応を見直してまいります。
今後も安心して通っていただける環境づくりに努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
■【サービス業全般】時間・対応に関するクチコミへの例文
〇〇様
貴重なご意見をありがとうございます。
お待たせしてしまった点につきまして、スタッフ一同で改善を進めております。
またご利用いただける機会がございましたら、より良いサービスを提供できれば幸いです。
■【星1・2評価のときに使える柔らかい文章】
〇〇様
率直なご意見をいただきありがとうございます。
ご期待にお応えできず申し訳ございませんでした。
改善点を明確にし、今後のサービス向上に活かしてまいります。
あくまでも、このテンプレートを基本になりますので、事実と異なることが書かれた場合などは、その時によって変更が必要になります。
悪い口コミ対応の正しい手順(マニュアル化)
悪いクチコミへの対応は、「誰が見ても同じクオリティで返信できる」ことが重要です。
ここでは、スタッフ全員が使えるシンプルな対応マニュアルをまとめました。
① クチコミの内容を分類する
まずは内容の重さを確認します。
- 軽度: 店内の雰囲気、待ち時間、些細な不満
- 中度: 接客態度、サービスの不備
- 重度: トラブル、衛生面、医療行為・重大クレーム
分類することで、対応の優先度が明確になります。
② 内部確認・スタッフへのヒアリング
書かれている事実が合っているか確認します。お客様の気持ちを否定せず、事実だけ丁寧に整理します。
③ 返信文を作る(テンプレ+個別調整)
第3ブロックのテンプレを基本に以下の内容を丁寧に反映させます。
・お客様が感じたこと
・お店側の改善点
テンプレを丸コピーではなく、“そのお客様に向けた一文” を追加すると誠実さが伝わります。
④ 改善策を共有し、実際に取り組む
クチコミは改善のヒントです。具体的な行動につなげることが大切です。
・スタッフ教育
・オペレーション改善
・案内方法や説明の見直し
⑤「悪い口コミを書く人」への対応方針
すべての人が悪意を持っているわけではありません。
ただし、ごく一部に「クレーム目的」の書き込みもあります。
- 感情的にならない
- 必要以上に議論をしない
- 個別対応へ促すが鉄則です。
Googleの口コミ削除については以下の記事に詳しくまとめてます▼
Googleの口コミが削除されにくい理由 「事実無根の悪評が書かれてしまった…」そんな経験はありませんか?Googleの口コミは、Googleマップや検索結果に表示され、多くのユーザーの目に触れるため、店舗やサービスの信頼性に大きな[…]
信頼を高めるアフターフォローと運用ポイント
悪いクチコミに返信した後の対応は、実はとても重要です。
返信を見た他のお客様にも「丁寧なお店」という印象を与えるチャンスになります。
1. 返信後は「改善した内容」を共有する
スタッフ全員で改善内容を共有し、「次に同じことが起きないように」仕組みづくりを進めます。
2. 再来店のきっかけをつくる
低評価を書いたお客様でも、対応次第で“ファン”に変わることがあります。
またご利用いただければ幸いです。と伝えることで、関係が再構築できる場合もあります。
3. 良い口コミが増える仕組みをつくる
悪いクチコミの対応だけでなく、「良い口コミを集める仕組みづくり」も大切です。
- 笑顔の接客
- 分かりやすい案内
- スタッフの統一対応
- 満足度の高いサービス
これらの積み重ねが、自然とポジティブな口コミにつながります。
4. チームで共有できる「返信マニュアル」を整えておく
この記事の内容をベースに、
店舗ごとの返信マニュアルを作れば、スタッフ全員が同じ品質で対応できます。
まとめ
悪いクチコミは、最初は落ち込んでしまうものですが、見方を変えると“お店がさらに良くなるためのヒント”でもあります。返信するときは、謝罪 → 共感 → 改善の基本を押さえながら、丁寧で誠意のある姿勢を示すことが大切です。
この記事で紹介したテンプレートや対応フローを活用すれば、お客様からの信頼を高めることにもつながります。悪いクチコミの対応は「お店の印象を変えるチャンス」。丁寧な一つの返信が、次の来店や良い口コミにつながることもあります。ぜひ今日から、スタッフ全員で実践してみてください!この記事が参考になると幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!